こんにちは。ザキと申します。閲覧くださりありがとうございます!

珈琲にはこんなものがあるのか、と心動かされる一杯をいただけましたので、ご紹介いたします。

今回は、京都珈琲焙煎所「旅の音」に行ってまいりました。

京都珈琲焙煎所 旅の音 – Suu

「旅の音」の読みは、タビノネ、です。

以前に通っていた珈琲専門店のマスター曰く、京都こそ、もっともカフェが多い土地だそうです。

そのため、焙煎所も少なくないのですが、なかでも店名が特に素敵で、気になっておりました。

公式ホームページには、

「忙しい毎日からほんの少しだけ距離を置いて、心落ち着ける空間で、ゆっくりとした時間の流れを感じていただけるように」

と、あります。

まさに「旅の音」は、そうした空気感の中で、ひと息つくイメージを湧かせる語ではないでしょうか。

お店は京都の左京区、元田中駅から約400メートルのところにあります。

訪れたのは16時ごろでした。

内装は、静けさという言葉を具象化したかのように、必要なものだけがしっかりとある、といった様子です。

いわゆる、隠れ家のようなカフェといった印象を受けます。

「心落ち着ける空間」というコンセプトを大事にされていることがよく伝わってきます。

ホームページによると、もとは美術学校の教室だったとのことです。

店内にお客さんは四人。その全員がパソコンやノートを広げ、ひとりひとり、黙々と集中されていました。

席について、メニューに目を向けます。

すると、おすすめのコーヒーとして1ページ目に、エチオピアの浅煎りが掲げられていました。

大変親切でありがたいです。迷わず注文いたしました。

まずカップに、やわらかなあたたかさを覚えます。洋風のものでないところも、京都らしくておもしろいです。

一口含んで、瞬き数回分くらいの時間を経て、無意識のうちに口角が軽く上がっていることに気づきます。

それくらい、(いや、どんだけよ・・・・・・。すごすぎん・・・・・・?)となるくらい、甘酸っぱさが明瞭で特徴的でした。

もっとも、メニューの紹介文に、

「フローラルな華やかさ」や「甘酸っぱいベリー」に、「苦みが少ない」といったことは、書かれていました。

そうした先入観はいくらかあるかもしれません。

しかし、つい軽く笑ってしまうくらい、ベリーが強く感じられました。

それも、時間経過によって温度が下がると、さらに強まります。

「苦みが少ない」というのも、その通りでした。後味にわずかに感じられる程度です。

質感も非常にとろとろとしており、やわらかく優しい口当たりでした。

明確に果実のような味わいがあり、ほとんど苦くない。

飲みやすく、ゆったりと、ただカフェインが頭をすっきりさせてくれる。

こんな珈琲があるのかと、これまでの珈琲に対する固定観念を打ち破られた一杯でした。

そして、だからこそ、「心落ち着ける空間」の看板メニューにふさわしいです。

飲み干して、なにか勉強するわけでもなし、席を立ちます。

この時間のことを、絶対に文章にしよう。

考えていることはそれだけです。

川の流れに沿って、涼しい風の中、駅を目指します。

エチオピアの魅力を思い知らされた一日となりました。